「会社の値段」を読みきれずに返却することになったので自分用メモ
でも、だいたいのトーンはつかめたと思う。
- 作者: 森生明
- 出版社/メーカー: 筑摩書房
- 発売日: 2006/02
- メディア: 新書
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株主価値の概念をもっと日本に根付かせようというモチベーションで書かれた本。
だから「会社はこれからどうなるのか」とかで指摘された、信任が必要になる問題(矛盾)はとりあえず目をつぶって「だって、いまのところ、これ以上効率のいいやり方はないでしょ」と開き直っているともいえる。たしかに、会社というものは、株主の値付け以外には値段のつけようもないし、それが「会社の生存にとって」最も効率が良いのが今の資本主義の枠組みだ。
善悪の基準、好悪の感情とは切り離さないと、何も見えませんよ。と、言っている。それはすごくポイントを衝いていると思う。
一方、資本の論理・値段の論理になじまない業態は、株式(公開)会社にする必要は無い、というのが、これまでいくつかの「会社とは何か」本を読んできた上での俺なりの結論だ。
- 売りたい会社は、売れるように経営すればよい。
- でも、何事かを成し遂げるために会社があるのだとすれば、値段がすべてではないのは明らかだ。
たしかに、現在は強固な資本主義、市場主義の枠組みがあるのだから、値段をつけてもらう会社の仕組が「生き延びる・繁栄する」のは当然だが、世の中の枠組みが永久不変であったためしなどない。さまざまな種が共生して多様性を維持していくからこそ、変化に対応する素地ができる。
ある枠組みに不適合だからといって、今後永久に「わが世の春」が来ないわけではない。
一方、買われることに最適化した会社だけの世界になれば、破滅は必至であるし、そういった分布のゆがみが「買われない会社=ヒト=(自律的)法人」に有利に働く局面は当然あるだろう。
それがいつか、を問題にするのが、資本家の論理だろうが、俺は気にしないことにした。