僕にとっては「ビューティフルアーキテクチャ」は予想をはるかに上回った「当たり」本だった。
ビューティフルアーキテクチャ (THEORY/IN/PRACTICE)
- 作者: Diomidis Spinellis,Georgios Gousios,久野禎子,久野靖
- 出版社/メーカー: オライリージャパン
- 発売日: 2009/11/27
- メディア: 大型本
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シリーズ1作の「ビューティフルコード」*1は、長年自分が追ってきたテーマでもあり、期待が高すぎたことと、内容の粒度というか具象度に自分の頭が追いつかなかった。
今回もやはりとても興味ある分野だが、話の内容がやや抽象レベルが高い感じで、頭の中にモデルを構築しやすかったような気がする(まだざっと流し読んだだけだが)。
そして、最後の14章:古典再読の最後のKoolhaasの言葉がとても効いた。そしてその言葉を受けての一文が今の僕にとってのカタルシスとなった(まぁ、煮詰まってたってことなんだろう)。
p.389 建築がカオスの冒険であるというのは、それが美しいアーキテクチャだけでは不十分だからです。美しさだけでなく、有用性も支配するという点で、建築とプログラミングは同類です。
そんなこと当たり前だけど、この本に出てくる数々のアーキテクチャについて、この言葉なのだ、と。
それはともかく、先日のJRubyKaigi(俺にとって)あたりから興味が高まっていたJITとかVMとかについて、いくつもネタ元が転がりこんできたのは嬉しい偶然だった。ただ、この本はRubyにはずいぶん冷淡であるような気がする。
*1:[asin:4873113636:detail]