「会社はこれからどうなるのか」のエピローグ

この本は、これから会社に入るひと、これから会社を作るひと向けの啓蒙書らしいが、学者さんの本とは思えないほど説得力がある。
ところで、読書メモには肝心のところが残っていないので補足。まぁ、今となっては常識のこともあるけど。

  • 株主主権の会社は、経営への口出しの非効率性ゆえに生き残れない可能性がある
  • 株主への利益配当が会社の至上命題でないとするなら、NPOも会社の形態としてアリだ
  • 人的資産をつなぎとめる求心力として、positiveなspiral効果があるのは企業文化だ。黄金の手錠だけでは企業特異性との相乗効果が無い(相対的に弱い>駆逐される)
  • 終身雇用制というのは黄金の手錠の一種、したがって企業文化の相乗効果より弱い可能性があるので、日本でもこれが維持される見込みは薄い。また、差異が会社の利潤の源泉だとするならば、差異の寿命が短くなる傾向にある中、人の寿命よりも会社の寿命のほうがはるかに短くなる可能性もある。
  • 会社の寿命が短くなるとするならば、人的資本、情報資本の流動性を支持するインフラを持たない地域の会社はさらに弱くなる。
  • 起業をサポートする土壌を持つことは会社にとって強み(日本の会社は弱みを持つともいえる)シリコンバレーに変わる新しいモデルはどこにあるだろうか?